ドラマを制したのは北海道日本ハムジュニア。札幌ドームでの開催で地元のファンからの応援を一身に受けたチームが、3年ぶり2度目のの決勝トーナメント進出を果たし、遂に悲願の優勝を手にしました。
決勝はかなりの接戦でした。日ハムジュニアは7度の大会中、これまで1度しか決勝トーナメントに上がっていません。2008年のそのときは、最終回で中日ジュニアチームに大逆転を喫しています。1点差を最後の最後でひっくり返された、チームにとって悔しい悔しい準優勝でした。
それから3年。決勝まで駒を進めた日ハムジュニアに立ちはだかったのは、決勝トーナメントの常連、東京ヤクルトスワローズジュニア。大会初回で優勝し、その後もたびたび決勝トーナメントに上がっている強豪です。
先制点を上げたのは日ハムジュニアでした。しかしその裏すぐに追いつかれます。6回にさらに3点を追加しても、その裏ホームランで2点を追加され、リードはわずかに一点。そして迎えた最終回でした。
最初のバッターを三振に仕留めたものの、打順が1番に戻って続くバッターにヒットを打たれて、ワンアウト一塁。3年前の悪夢がふつふつとよみがえってきます。2番バッターが犠打、ランナーは二塁に進んで3番バッターがシングルヒット。二死1塁3塁でヤクルトジュニアは逆転のチャンスです。しかも次は4番バッター。日ハムジュニアにとっては大ピンチとなりました。
この4番バッターは6回にホームランを打っている強打者です。誰もが3年前の悪夢を思い出したでしょう。一打逆転の局面、シングルヒットでも確実に同点です。目前の優勝がするりと手から離れてしまう恐怖と戦うピッチャーには、相当プレッシャーがかかったと思います。
4番バッターのバットが一閃しました。皆が目をつぶった時、打球はサード付近にフラッと上がり、グラブに打球が収まった瞬間、固唾を飲んで見守っていた大勢の観客から歓声が上がります。北海道日本ハムファイターズジュニアの初優勝の瞬間でした。ピッチャーもよく踏ん張りました。またヤクルトジュニアも素晴らしい猛追を見せましたが、あと一歩のところでした。
日ハムジュニアの皆さん、初優勝おめでとうございます。ヤクルトジュニアの皆さんも素晴らしい試合をありがとう!
ところで、この決勝の前日に残念なことがありました。広島東洋カープジュニアチームが禁止されているバットを使用していると、対戦した中日ジュニアチームからの指摘で発覚、試合が中断したのです。処置の決定が20時を過ぎたために試合はそのまま一時預かりとなり、特別継続試合が決勝Tの日の早朝6時台に行われて、ようやくグループBの代表が決定しました。
皆さんに知っておいてほしいのは、バットに規制があることを広島の選手たちが知らなかったこと。選手やチームが意図して「ズル」と言われるような事をしたのではなく、通常の軟式少年野球の試合では使用してもいいバットだったために、大会ローカルのルールが現場まで徹底されていなかったのです。徹底が至らなかったのは大会に関係した大人の問題。
ですので、バッターボックスに立った選手たちに責任はありません。今回ルールの不徹底で迷惑がかかったのはむしろ参加した選手たちでした。チームの家族の皆さんや、わざわざ北海道まで応援に駆けつけてくれた応援団の皆さんにも、大会に関わった者として心よりお詫び申し上げます。
果たして広島東洋ジュニアの選手たちは、特別継続試合に全力で当たれたのかどうか。それが心配です。選手たちは皆一生懸命頑張りましたし、この大会で広島ジュニアが一勝を挙げたのも事実です。胸を張って、どうかこれからも野球に打ち込んでいってください。